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「…いやだ」
崇文は、急いで身を起こすと、蛍光灯の紐を引っ張った。
「これなら、見えない」
「触ったら、判ってしまう」
「じゃ、触らない」
「…けど」
「触らないから…絶対に」
「……」
祐理子は稽える素振りで少し黙すと、徐に身を起こし、帯〆に手をやった。
その様子を視てはいけないような気がして、崇文は背を向けると、ズボンのベルトに手を置いた。
長襦絆の儘で背を向けている祐理子の項に、そっと唇を触れた。
慣れない手付きで伊達紐を解いてやると、ゆっくりと横たえた。
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