雨の街道。

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仮初めの晴れ間で思うのは、本物の晴れ間までの時間。 願うのは地面が乾くまで無事である事。 ぱしゃん、と。 歩く音が響く雨の道、霞む空気の中を進む度に考える。 此処は自身が住む『此方側』か。 周囲の人間は『本物』か。 足音は多くないか。 水は境界を失くし『彼岸』を身近に感じる。 此の地を潤すはずの雨が、住まう人間を脅かすとは何たる矛盾か。
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