第1章「デメコとムクロ」

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   荒涼。  終わってしまった世界。  乾いた風が嘲笑するように吹く。  風の音と砂が舞う音しかしない世界に、デメコはいた。 「ねえ」  と彼女は聞く。 「どうして、わたしだけが生きているの?」  と。  問いかけは、砂のように弱い。 「なんでみんな、死んでしまったの?」  彼女はまた、問うた。  なぜそんな問いを抱いたのか――抱くだけに留まらず、口にしたのか――それは彼女すら知らないことだ。  彼女の名前はデメコ。  世界でひとりぼっちの少女。  
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