新入部員

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先輩方と自己紹介した 兄貴にオカルト部の部員の名前を教えてもらってたから、知ってたけど 「境 葉月。オカルト部に入りたい一年ッス」 「新入部員…だと?」 驚愕の顔で固まった山岸先輩 「迷惑ッスか?」 「いや」 目の前でターンし、ポケットから一輪の造花のバラを取り出し、築地先輩に差し出した 「宣伝すらしていないのに入部希望とは。むしろ喜ばしい」 「なんで俺にくれないんッスか」 花なんかいらないけど 「男に優しくする気はない」 兄貴から山岸先輩は女子に優しいと聞いていたけど、その通りだ 「いりません」 …正直ッスね築地先輩 「東海先輩は?」 「大歓迎だよ」 兄貴から東海先輩は安定のイケメンと聞いてたけど、そのとおりだ 笑顔が眩しい 「築地、境、これを見て」 東海先輩の手にはさっきのトランプ 柄は赤と黒のチェックだが、年期と手あかでボロボロ 「ボロボロのカードですか?」 築地先輩の質問に東海先輩が頷く 「外見はね。部室を掃除したら偶然見つけたが、既にボロボロだった」 ほうほう 「しかし不思議なことに、カードはホコリを被って無かったんだ」 不思議? 「ついさっき誰かがここで持ち込み禁止のトランプ使っただけッスよ。それか前からあったんッス。落とし物って事で先生に渡しましょう」 「以前からこれがここにあったかわからないけれど、今日僕はここにずっといたから、今日は誰もこれを置くことはできない。 だから、オカルトの可能性を否定できない」 ふむふむ…ん? 「心霊現象かもしれない」 え? 部長と副部長は勝手に頷く
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