第2章

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あの後、考えといてくれ、と言われすぐに帰宅した 今日は特に野球がしたい気分だったため、家から5キロほど離れた場所へジョギングしながら向かい壁当てをしに行く きっちり準備運動をして、軽く投げ始める 頭を占めるのは学校での井上との会話 (お前が必要なんだ) モヤモヤをぶつけるように壁あてを続ける 思い出すのは中学の引退試合 (八点目ーーー!! どうした三中!?) 「くそっ…」 「どーしたの?鷹宮くん」 悩んでる時に後ろから声がする ついさっき聞いたような声 「え、東城?さん?」 「あはは、東城でいいよ! わたしもタカくん、て呼ぼうかな!」 「おお、そりゃ嬉しいわ てかなんでここに??」 東城は上下ジャージでうっすらと汗をかいていた ランニングか? 「んーランニング! ここ私ん家から結構近いの」 「まじか!! じゃー五中、とか?」 「おお、よくわかったね! タカくんは四中?」 「いや、三中」 「えーこっから5キロ以上離れてない?! 走ってきたの?!」 「まあ…」 「ええ、ずっと四中だと思ってたのに…」 「ん?東城俺のこと知ってたの?」 「え、いや!なんでもないよ!!」 なんだか慌てて頭を振る あぁ、癒されるなー 「タカくん、なんか悩んでる?」 「ん?どうして?」 「ずーっとしかめっ面してたよ!」 「どんだけ前からいたの?!」 「えー声かける五分くらい前?」 「早めに声かけてよ…」 てへっとする仕草がかわいくてなんでも許しちゃう、うん てかそんなわかりやすいほど顔に出てたのか …引きずりすぎだよなぁ
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