第四話【母】

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「こういうことになるから、あんたは社内恋愛なんてしない方がいいわよ」 冗談のように笑って言う。 私も調子を合わせた。 「二人を見てそれは学んだから。絶対しません」 母に付き合い、たっぷりと父の悪口を言ったあと、 「明日の為に今日はもう休むね」 と私は席を立った。 彼女は満足気な顔をして、 「おやすみ」 と言った。 部屋に戻ると、ベットに体を投げ出す。 話をしていただけなのに、寝る前より疲れていた。 頭が痛い。 そこで思い出して、夕食後の薬を飲んだ。 しばらくして頭痛は消えていき、もう一度眠りにつけそうだった。
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