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啓が根気よく話し合う時間を、仲直りする機会をくれたから喧嘩の時間よりも笑い合う穏やかな時間の方が長くいられたんだ。
今回のが一番酷い喧嘩だ。
折角啓が話し合う機会をくれたのに俺が壊してしまった。
(どうすればいいんだよ…)
春の夜風が冷たく大きく身震いをした。
いつまでもここに居られず築山を降りて、一瞬躊躇ったが家路に向かって歩き出した。
足が重い…。
啓はまだアパートに居るだろうか…。
気まずさがあり居ないで欲しいと思う反面、すぐに謝り仲直りをしたい気持ちもある。
(…啓は許してくれるか)
ハンディで一番デリケートな部分を、セックスの時位喘げなんて…。
その時の愕然とし泣きそうな啓の顔が脳裏に浮かぶ。
深く傷つけてしまった。
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