もっと囁いて

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ベッドサイドに力なく腰を落とした。 ギシッとスプリングが鳴る。 仲直りするチャンスを逃した…。 タイミングを外すと仲直りの仕方がわからなくなる。 100%自分が悪いのだから尚更気まずい。 ふっと目の前のローテーブルにスマートフォンと一緒にメモ用紙が置かれていた。 [ 李仁へ さっきはごめん…。落ち着いたかな? 声は出せない…。もし李仁が不満なら 少し考えさせて ] くらっと目眩がした。 メモ用紙を持った右手が震える。 [ 少し考えさせて…] その意味は…。 俺と別れるって事なのか。 俺はメモ用紙を投げ、スマートフォンを掴み、メールを打ち始めた。
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