もっと囁いて

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いくつもの「なんで」が頭一杯にし、後悔が体内の隅々をぐちゃぐちゃに撫でて塗りたくる。 (啓…) 何度心で呟いたか知れない恋人の名で涙が滲む。 狂ってしまいそうだ…。 こんなにも自分が啓を愛し依存している事が辛く苦しい。 それなのに…。 それほど愛しているのに…。 欲とエゴで啓を傷付け、逃げた。 臆病で我儘。 こんな俺に愛想を尽かしてしまうのも無理はない…。 俺はスマートフォンの液晶をタップして、最近まで開いていなかったコミュニティサイトを開き、サークル〔アスナロ会〕にコメントを書いた。
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