疑われた出発

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教会を出発しそのまま出ていこうと思ったが目的地どころか冒険者として何をしていいのかわからない。町の人達と話すのは嫌いだが仕方がない。ここは昨日の夜から決起集会が行われている酒場に行って色々と冒険者の人に聞いてみることにしよう。 酒場に入ると酔っぱらいがたくさんいる。一晩中飲んでいるのか…。来てみたはいいが、人に話しかけたことがほとんどない自分にはどうしていいかわからずカウンターの隅に座った。 酔っ払いたちは声が大きく、自分から人に話しかけなくても周りの人達が話しているのを聞いているだけでいいことに気がついた。数十分聞いているといくつかのことがわかった。 ・魔王は賢者様と相打ちで倒されたはずだったということ ・モンスターが少しずつ共通の動きを始めていること ・数カ月前から全ての街が静かになってきていること 現在この世界で起きていることは分かったが、実際にどう行動すればいいのかは全くわからなかった。これ以上聞いていても仕方がない。 そういえば、街の外に自分が心を許せる数少ない人物がいる。親殺しになってから気まずくて訪ねていないが勇気を出して尋ねることにしよう。そう思い席をたって店から出かけようとした時、声をかけられた。 「ねぇ、君。教会のギルでしょ」 振り返ると冒険者の格好をした1人の女性が立っていた
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