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セナと呼んだ男は、名を彰紀(アキノリ)といって、セナにはノリさんと呼ばれている。
彰紀が、セナと出会ったのはたぶん偶然だった。彰紀とセナがたまたま同じ会社じゃなければ、 この出会いは決してなかったとも言えるくらいのものだ。
遡ること、数ヶ月前
セナは、現在の会社への入社式を受けて
同期で入社した社員の配属先が、決まり
同期の社員へ別れを告げて配属先へ向かった。
セナの入った会社は、大学生時代に憧れていた秋典さんがいるところだった。配属で決まった担当者も、アキノリと言う人だと聞きセナのテンションは高まってた。
「"秋典さん"だなんて!! 運強すぎ~♪」
鼻唄混じりに職場のドアを開ける。
瞬間、ざっと振り向く社員の先輩方。
「きょ、今日から、お世話になります。 佐崎瀬名(さざきせな)です。」
「いらっしゃい。よろしくね、私がここの責任者吉邑(よしむら)です。よろしくね瀬名ちゃん。」
艶っぽい声でセナを歓迎したのは、吉邑といって、セナがこれから入る部署の部長職就く会社で唯一の女性幹部である。
それから 吉邑に、流れやらなんやらの一通りを伝えられた。
そして、 "アキノリ"が来るのはまだなのでそこの席で待つこととそこが貴女の席と指示され、おとなしく座るセナだった。
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