第五話【白い湯気のその先に】

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山下さんとの食事は、結局次の週の土曜日になった。 今週にしなかったのは、 「まだ本決定ではないから」 と彼が言ったからである。 本当のところは、楽しみな予定は先延ばしにして、その期間を存分に味わいたい…らしい。 私としては、正直気が重いイベントだったので、早めに済ませてしまいたい気もした。 今回のことに私が乗り気でないのは、彼を嫌っているから、という訳では決してない。 人見知りの私が、チーム内で一番話しやすいのは、やっぱり彼なのだ。 お調子者のキャラなのに、仕事にはいつだって真剣で、時々空気を読まずに暴走するけど、人の気分の浮き沈みには妙に敏感だった。
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