読者第一号

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これ以上の作品はもう書けないだろうと思っていた。 本のタイトルは『黒髪の侵略者』。 主人公である黒髪で長髪の男アイクと謎の力を持った少女レイカの物語。 主と奴隷、その二つがあるのみとされる世界でアイクは奴隷の道を歩んでいた。そこで出会った奴隷の少女レイカ。彼女は『主を隷属させる力』を持ち、ある時、レイカはその力を良き方向へと使える事が出来るアイクに譲渡する。力を得たアイクは主の滅亡そして世界侵略へと歩を進める。それからアイクは道で仲間になった奴隷のフィリス、ライバルとして現れた元主のセツナと共に世界中の主と戦い続けるというジャンルはファンタジーの物語である。 製本が出版社から届いてから数日経ち、今日が『黒髪の侵略者』の発売日。 裏表紙に書き連ねたあらすじを読みながら僕はこれまでの経緯を思い出す。
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