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時刻は早朝の八時。
あれから帰還信号を送り、応答が返って来て半日が経過している。
一対一でエアと話がしたかった賢は他の研究員を帰らせ、明日香、アリアと共にその時を待っていた。
やがてコード〇一エア、彼女は唐突にその姿を見せた。
研究所の正面玄関の監視カメラの映像に映ったエアを確認した賢は小走りでエアの元に向かい、快く出迎える。
「やぁ、エア。一年ぶりだね、元気だったかい?」
色白で華奢な腕、金色の短髪にボロボロの縞模様の服を着たアンドロイド、エア。アリアよりも少し身長が高い。
「はい、賢様。一年と一ヶ月ぶりですね。エアは正常稼働しております」
賢の見立て、どこもおかしな点は見受けられない。
一つあるとすればそれは……。
「いきなり刃物を突き立てるとはどういう用件かな?」
近づく事を拒むようにエアの右手は鋭い刃へとその姿を変形させていた。
「お前の設計上攻撃する事は敵わない。いくらお前の意思で殺そうと思っていたとしてもな。いいからその右手に発生させている攻撃命令を即刻中断しろ」
「……」
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