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上手い事言って逃げようとする明日香を薄目で睨んでいた賢は、こほんっ、と咳を入れ試験を続行するようにアリアを見る。
「じゃあアリア……アリア?」
アリアは引き攣った笑顔で賢を見ていた。
「お前、何をしているんだ?」
「はい、マスター。ただいま表情動作試験中です。こんな感じで宜しいでしょうか?」
と、無理に口角を上げ、笑顔を作るアリアに二人はまさかこの子かなり単純なのではと思うのであった。
ややあって。
「ではもう一つ質問だ、アリア。今、着ている服を脱いではくれないか?」
賢は真剣な眼差しでそう命令した。
えっ? と重い声を発した明日香は慌てたように顔を火照らせこう答えた。
「鈴沼部長、外装設計をした私だから言わせてもらいますけれど、それはセクハラです。乳房から性器に至るまでより人間へと近づけようと完璧に設計しているからこそ、その命令は例え相手がアンドロイドであってもセクハラとみなし通報しますよ。良いんですか?」
と、明日香が言いきった所で、アリアはワンピースの裾を持ち、
「はい、マスター」
脱ぐ動作へと移行した瞬間、賢はそのアリアの手を掴んだ。
「いや、もういいアリア。今の命令はキャンセルしろ」
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