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アリアは胸に手を当てる。己の感情にその問いの答えを聞くように。
「この感情はマスターが好きと言う感情なのかもしれないと思われます。しかし、私には内部回路が原因なく熱を発しているようにしか見えません。どれだけ考えても私にはこれが何なのかはっきりと答える事は出来ません。マスター、私はやはり未完成なのでしょうか?」
不安。無表情の奥に垣間見えたそれを見た賢はただ優しくアリアの頭を撫でた。
「私の言葉が君を傷つけてしまったみたいだね。すまない、アリア。許してくれ。お前は未完成じゃない。私が作ったんだ。アリアは今のアリアで十分完成されているよ」
撫でられたアリアは気持ちよさそうに、そして今ようやく賢はアリアから自然な笑顔を見たのであった。
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