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賢曰く、これがなかなかに肩揉みの才があり、気持ちよいとの事だった。
しばらく肩揉みされ、あぁ~と気持ちよさそうに声を上げていた賢は、ふと目の前のTVへと視線を向けた。
『緊急ニュース! アンドロイド、人を傷つける!! 被害者は命に別状はないが重傷で病院に搬送されたもよう。被疑者であるアンドロイドは株式会社テムジック者開発の人類初の人工知能搭載型戦闘用アンドロイド――コード〇一(ゼロワン)エア――――――以上の特徴を持ったアンドロイドは現在逃走中。間もなくテムジック社社長からの記者会見!!』
「なんだと!!」
肩揉みが終了した所で賢は勢いよく椅子から立ち上がった。
「マスター、どうかされましたか?」
状況の整理がつく間もなく、一本の電話が賢の通信機器へと入る。
送信先は社長。賢が予想していた通りの人物からだ。
首を傾けているアリアの頭を撫で、椅子に座らせた賢は、通信機器のボタンを押す。
「はい、こちら鈴沼です。エアの件ですね」
『君も分かっておるようだな。そうだ、コード〇一エアの件だ』
記者会見前の電話だ。声に少し緊張が混ざって聞こえる。
「はい、分かってます」
「うむ。そこで君にはエアの始末をして欲しい。私の考えでは君はおそらくエアを研究所へと無理やり引っ張りだせる方法を知っている筈だ。それを使っておびき寄せ、破壊しろ」
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