お揃いのマグカップ

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誕生会の段取りは、学校の近くにある私の家に寄りみんなでご飯を食べながら勝の誕生日を祝うというもの。 料理を担当するのは私で、沙耶香と賢治はケーキとプレゼントを用意してくれている。 たしか、野球部の練習が終わるのは18時半頃だったはずだ。 私はその時刻を目標に、自宅の自分の部屋に沢山の料理を準備していた。 当時の我が家は建て替え前の古い家で、部屋で騒げばその声は家族にも筒抜けになってしまう。 両親は仕事で帰りが遅いためまだ帰らないが、中学生の莉那と小学生の瀬那はもう帰宅しているのだ。 「今日はこれから私のお客さんが家に来るんだ。 カレーを作っておいたから、後で瀬那と一緒に温めて食べてね!」 そう莉那に伝え、私は2階にある自室で勝たちの到着を待っていた。
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