誇りに思う

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「じゃあ、その魂はここで亡くなった人の物なんですか?」 「いえ、亡くなられたのは別の場所ですよ。景壱さんのよく知っている人の弟さんです」 「だ、誰ですか?」 「詩野辺 陽太(しのべ ようた) 恭治さんの弟で、彼の家で亡くなりました」 聞き間違えであって欲しい、だが、その名字の知り合いと言ったら彼しか居ない。 「陽太さんは悪人ではありません。しかし、詳しくは分かりませんが、恭治さんに向かうはずの恨みや憎しみを背負い込んだのです。……続きは、あのお店でお話します」 彼女も早く、この場所から離れたいのだろう。 まだ色々と聞きたかったが、今は何も話してくれないだろうと景壱は車を走らせる。
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