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《直哉side》
俺はあいつがいなくなった教室で一人で考えていた。
あいつには彼女がいるのか?もし仮にいたとして俺はどうする....?
そんなもん考えることなく、答えは決まってた。”奪う”この言葉以外に俺は浮かばなかった。
あいつはもう、俺のもんだ必ず手に入れる。
正直、俺は女にもっと言えば男も向こうから寄ってきた。数え切れないかずの奴らを遊んで捨ててきた。
翔も同じように興味でキスをした。いつものように遊んでやるか位の気持ちでな。
翔はキスをされて、今まで遊んできたやつらとは違う反応をした。俺がキスをすると喜ぶ顔をする。でも、翔は違った。
顔を真っ赤にした。ここでは普通の男や女と同じ、でも違いのはここから.....。翔は俺にキスをされても嬉しがらなかった。
そこに興味が湧いた。俺にキスされて惚れない奴がいるのが信じられなかった。
俺には子供の頃から、欲しいものは全て苦労せずに手に入れてきた。だけど、翔は手に入らないものだと思った。
そう確信した瞬間、俺はあいつが欲しくてたまらなくなった。
「手に入らないものほど欲しくなるってのは、こんな感情なのか、悪くねぇな....」
それにしても、あいつのファーストキスの相手が俺...。
こんなに嬉しいことは多分今までにないくらいだ。でもあいつにはライバルが多そうだよな....。
特にこの学校の生徒は可愛げがない奴らばっかりだからな.....。
あんなかわいいやつが入ってきたら惚れるに決まってるだろうか!!
翔が誰かに惚れる前に俺に惚れさせてやらないとな。待ってろよ翔....。
俺たちは永遠に一緒だ。死んだあとも....。
ずっと、ずっと....。二人だけで、誰にも見えないようにして....。明日からが楽しみだ.....。
俺は薄気味く笑い。静かに呟いた。
「悪いな。俺は気に入ったものは何もを手でも手に入れたくて、死んでもお手放さない主義なんだよ....。翔、タチの悪いのに気に入られたなァ....。」
この呟きは誰にも聞こえることはなかった....。
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