1100人が本棚に入れています
本棚に追加
《翔》
俺は家を勢いよく出て、必死に走った。学校に着く頃にはホームルームが始まる時間を過ぎていた。
つまり、そう.....。
「遅刻だよ。入学式から遅刻って....!!ありえない!」
俺は自分のクラスに向かう。入学説明会の時に、入学式がないって言ってたらしいけど......。今は入学式がなくてよかったと思ってる.....。
俺は勢いよく教室の扉を開いた。
「ハァハァ...。遅れてすみません...!!って、アレ?」
息切れをしながら、教室を隅から隅まで見わたすと教室には人っ子人もいない......。
「なんで誰もいないんだ...?あれぇ、なんでうぇ!!」
俺は教室の中に入り歩き出すと、何かにつまずいて後ろに倒れこむはずが.....。いつまでも体に痛みが来ない
「あれ....?痛く、ない...。なんで?」
「俺の上にお前が乗っているからだ....」
俺は誰かの体に乗っかっていた。俺は勢いよくその人から離れた。
「すっ、すみません!!!」
「痛た....。お前は、確か、誰だっけ?」
「芹澤翔です。けど...、あのなんで教室に誰もいないんですか...?」
「芹澤、まさかお前知らないのか...?」
先生は俺を見て驚きの声を上げた。
「何をですか?」
「ここは男子校だ。で、しかもかなりの不良高校だ」
はぁ!?聞いてないんだけど!!
「だからぁ、お前みたいに朝からクソ真面目に登校してくる奴なんていねぇよ...。あっここにひとりいるか...」
そう言って彼は笑って俺の頭を撫でた。
「えっと、あなたは...?」
「あぁ、まだ自己紹介してなかったな。俺はこのクラスの担任の林田直哉だ」
先生は黒髪でピアスを何個かしているし、カッターシャツのボタンがかなり空いていて色気がすごい...。しかもかなりの美形だ。
「林田先生よろしくお願いします」
先生の笑顔を見ていると、なんか和むな.....。俺も笑って言った。
「....おい。お前、かわいいな...」
「なんですか?」
最後のほう聞こえなかった。
「まぁどうせ今日は誰も登校してこないだろうから帰ったほうがいいぞ」
「そうなんですか....。なら、帰り..「それとも俺と楽しいことするか?」...え??」
その瞬間俺は、林田先生にキスをされた....。
最初のコメントを投稿しよう!