第1章

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どこ行くの? 決まってるじゃないか。 屋上だよ。 「はぁ・・・はぁ・・・ 待ってよ!」 ふむ。女性がそんなにはぁはぁ言うものではないと思うな、僕は。 女性は慎ましくあるものだよ。 「さっき君、何してたの?」 同じ質問をまた掘り返すとは・・・・・。 呆れ返ってものも言えないよ。 しょうがないので僕は足元にある先程脱ぎ捨てた靴を並べて、持って見せる。 「???」 すごく知能の低いヤローらしい。 しょうがない。 喋るしかないか。 「・・・・・・ぁ」 ・・・・・・・・・・・・。 声、出なくなってるじゃないか。 マジかよ。 あーあーあー。 「・・・・・・あー」 え。何。何か真似しだしたんだけど。 この子馬鹿なの? ねぇ、馬鹿なの? 「・・・・・・こほん。あー、僕は今からこの世からいなくなれるんだ。邪魔しないでくれるかな?」 まぁ、久しぶりにしては話せた方かな。 早口だったけど。 「???」 まだ理解してないの?! もういいや。 この子だけに時間割くわけにいかないしさ。 よいしょっと。
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