第五章

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「マル、これ拾えば良いの?」 「あっ、ありがとうございます!」 山南さんが説明してくれている間に、藤堂さんと総司さんは転がった湯呑みを拾ってくれる。 「……というわけなんです」 「はい。終わったよ」 山南さんの説明が終わるのと同時に、散らばった湯呑みも拾い終えた。 「説明したんだから納得しろよ。それからマル。てめぇももう少し男らしくしろ」 「痛っ! 何するんですか!」 ピシッとデコピンをして、土方さんは先に戻っていってしまう。 「やれやれ。……速水さん。気を付けていても貴女は女子ですから仕方のないこと。土方君の言うことは気にしないでくださいね」 優しい笑みを浮かべると”お先に失礼します”と言って、山南さんも去っていく。 みんなに迷惑をかけてしまったなと思っていると、山野さんが口を開いた。 「私は貴女を認めませんよ。副長達が何と言おうと絶対に……!」 「……すみません」 「謝ることなんてないですよ。円さんがいない生活なんてつまらないですからね。さっ、行きましょう」 手から桶を奪い取ると、総司さんはスタスタと歩いていく。 「あの、山野さん。本当にすみません」 もう一度謝って藤堂さんにはお礼を言って、先に行ってしまった総司さんの後を追いかけた。
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