第五章

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夜になってお風呂に入ると、一日も終わりだなと感じて気が緩む。 「ふうっ……今日は大変だったな……」 山野さんにバレるとは思ってなかったし、山南さんが説明してくれたけど納得してない様子だった。 これからどうなるのかわからない。 もしかしたら山野さんがみんなに言ってしまって、私が女だということを全員に知られてしまったら。 「もう、ここにはいられなくなっちゃうんだよね……」 いっそのこと島原にずっといるほうが良いのかもしれない、なんて考えも浮かんでくる。 色々考えていたら急に不安になって、無性に総司さんに会いたくなった。 そろそろ上がろう。……総司さんに会いたい。 「やっと風呂入れるな~」 「なっ! 今日はいつもより使用禁止が取れんの早いな!」 えっ……。男の人の声? なんで? いつもは使用禁止の貼り紙をしてから入っている。 私は自分で剥がしているから、誰かが勝手に剥がすことは今までなかった。 「山野が教えてくれたんだよな。あいつ良い奴!」 山野さんが教えた? ……もしかして私が女ってことをバラすために? 疑いたくないけど昼間の件を思い出すと、やっぱり疑問に思う。 でも今はそれよりこの状況なんとかしないと!!
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