序章

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うっ…わぁ……!! 超イケメン!! かっこいい!! 艶のある黒髪は耳にかかるくらいで。 パッチリとした目は少し幼さを醸し出していて。 透き通るような白い肌は、まるで女の子のよう。 それに、紺色の着物がよく似合っていた。 かっこいいというよりも、綺麗と言った方が正しいかもしれない。 「聞いてますか?」 「は、はひっ!?」 「怪しい方がいると報告を受けたもので。少し、屯所までお付き合い願えますか?」 怪しいとは無論私のこと。 あっ、そうだ! 謝らないと!! 「すみません! 私、気付いたら迷い込んでいたみたいで……。すぐに出ていきます。本当、すみませんでした!」 男の人に背を向けて、右も左も分からない道を駆けていく。 「はぁ……。とにかくここから出ないと」 「待ってくださーい!! あまりそちらに行かないほうが……」 「わぁぁぁぁ!! 追いかけてきてる!!」 猛ダッシュで入り組んだ道を駆けていく。 ちらりと後ろを向くと、ようやく男の人はいなくなっていた。
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