第三章

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夕飯も終わり片付けを済ませると、一と共に総司さんの部屋に向かった。 総司さんと相部屋なのは一だと、さっきの夕飯の支度の時に言われた。 「円。俺が取ってこようか?」 「ううん。私も行くよ。自分の物だし」 部屋の前につき一が外から声をかける。 だけど、中から返事はなかった。 いないのかな? それなら顔合わせなくても済みそうだな……。 ホッとした気持ちと寂しい気持ちとが混ざり合って、複雑な感情が生まれる。 自分のスクバを取って中身も確認して、部屋を出ようとすると何かを蹴ってしまった。 「やだ。なんか蹴っちゃった」 コロコロと小さな袋が辺りに散らばる。 それは私があげた飴の袋だった。 拾って戻すと、ほとんど満帆に入っていた飴はあまり減っていない。 あんだけ喜んでたのにまだ全然手つけてないんだ……。どうしたんだろ? 「円?」 「あっ、ごめん。今行くね」 気になったけど当の本人はここにいないし、話しかけられるわけもない。 きちんと元あった場所に飴を置いて、部屋をあとにした。
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