第三章

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稔麿さん達が帰って、私と葵ちゃんはまた控えの部屋に戻る。 「円ちゃん良かったね! 稔麿さんも晋助(しんすけ)さんも良い人で!」 「うん! 稔麿さん、気に入ってくれたみたいだし安心したよ」 もう一人の男の人は晋助さん。 稔麿さんと晋助さんは長い付き合いだそうで。 普段は京にはいないらしいけど、また来る時は指名すると言ってくれた。 なんだかんだ出だしは好調かな? 明日も頑張らなきゃ! 「さて、円ちゃん。ここに来た理由聞いてもいいかな?」 「うん。……お世話になってる人に恩返ししたくって」 「そうなんだ~。ね、それって恋仲とかじゃないよね?」 「ぜ、全然違うよ! 恋仲なんていないし……」 「怪しいなぁ~! あっ、じゃあ好きな人?」 好きな人、といわれて思い浮かぶのは総司さんの顔。 すぐに頭に出てきてしまうくらい、総司さんのことが好きみたいだ。 「んー、もしかしてこれは聞かなかった方が良かったかな?」 葵ちゃんは困ったように笑っていた。
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