1.カツラとメガネ

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何この部屋! ?ォって聞いたからベッドしかないみたいなのを想像してたのに、リビング、キッチン、寝室、風呂…?え、普通に一人暮らし出来るじゃん! 「…えーっと」 部屋の奥から困惑したような声が…あ。 「す、すみませんッ!!ええええええっと、今日からお世話になる辰野ですッ!!」 「あーwwいいよいいよ、慌てなくてもww」 あ、しまった。いきなり大声出してしまった。 「すみません…」 「いいってwww」 五分後。 「すみません、慌てて…。」 「もう謝るの禁止な?www」 「すみませ…あ。はい。」 ソファに座ってようやく落ち着いた。謝りまくったせいか、同室の糸目さんが爆笑してるし。 「あ、俺は同じクラスの深瀬 巧(ふかせ たくみ)でっすww」 深瀬くん…あ、やっぱりイケメンかよ。 あと爆笑は癖なの?ずっと笑ってるけど。 「あれだねー皐月ちゃんはww俺らの希望の星だねww」 「希望の星…?」 え、どゆこと?? 「んー。なんでもないwwてかwwwさっちゃんって呼んでいい?www」 はぐらかされた…。 「呼び方は好きにしてください」 「やったwwwwあと敬語もなくそう?ww」 「え、はい。…あ、うん。」 …えっと、少なくとも体に穴開けてくるような人には見えないし、大丈夫でしょ。 「そろそろ部屋作ろうかな。」 「おおwww手伝おうか?ww」 「ううん。」 左側の部屋を使ってー、という深瀬くんの言葉を受けて左側の寝室を開けた。 既に段ボールは運び込まれていて、荷物を出したりするだけでいいみたいだ。 「…ほとんど何もしなくていいか。」 ほとんど荷物ないし。 段ボールを開けて最初に目に入ったのは長そでのシャツ。半袖はほとんどない。それをどけると大量のゲーム。いくつかの本。 「……。」 本当に、来てしまった。一人で。 両親が失踪してから初めて一人であることを実感した瞬間だった。
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