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何この部屋!
?ォって聞いたからベッドしかないみたいなのを想像してたのに、リビング、キッチン、寝室、風呂…?え、普通に一人暮らし出来るじゃん!
「…えーっと」
部屋の奥から困惑したような声が…あ。
「す、すみませんッ!!ええええええっと、今日からお世話になる辰野ですッ!!」
「あーwwいいよいいよ、慌てなくてもww」
あ、しまった。いきなり大声出してしまった。
「すみません…」
「いいってwww」
五分後。
「すみません、慌てて…。」
「もう謝るの禁止な?www」
「すみませ…あ。はい。」
ソファに座ってようやく落ち着いた。謝りまくったせいか、同室の糸目さんが爆笑してるし。
「あ、俺は同じクラスの深瀬 巧(ふかせ たくみ)でっすww」
深瀬くん…あ、やっぱりイケメンかよ。
あと爆笑は癖なの?ずっと笑ってるけど。
「あれだねー皐月ちゃんはww俺らの希望の星だねww」
「希望の星…?」
え、どゆこと??
「んー。なんでもないwwてかwwwさっちゃんって呼んでいい?www」
はぐらかされた…。
「呼び方は好きにしてください」
「やったwwwwあと敬語もなくそう?ww」
「え、はい。…あ、うん。」
…えっと、少なくとも体に穴開けてくるような人には見えないし、大丈夫でしょ。
「そろそろ部屋作ろうかな。」
「おおwww手伝おうか?ww」
「ううん。」
左側の部屋を使ってー、という深瀬くんの言葉を受けて左側の寝室を開けた。
既に段ボールは運び込まれていて、荷物を出したりするだけでいいみたいだ。
「…ほとんど何もしなくていいか。」
ほとんど荷物ないし。
段ボールを開けて最初に目に入ったのは長そでのシャツ。半袖はほとんどない。それをどけると大量のゲーム。いくつかの本。
「……。」
本当に、来てしまった。一人で。
両親が失踪してから初めて一人であることを実感した瞬間だった。
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