14人が本棚に入れています
本棚に追加
/11ページ
さて、どこに座ろうかな。
勝手に席におじゃまするのもアレだし、かといって話しかけるのもき、緊張するっていうか…。
「おーい、転校生ー」
「っへぇ!?」
後ろの方の席で手を振ってる誰か。もしかしなくても僕を呼んだんだよね?
「な、なんですか…?」
「座るとこ決まってないんだろ?ここ座っていいよー」
「!!あ、りがとう…ございます」
やったー!!席確保!
呼んでくれたヤツは「はははっ。変な奴」と笑っている。っく…やっぱりイケメンかよ…。
さわやかな笑顔ってこういうのを言うんだね。
「俺は陵 竜也(みさき たつや)!サッカー部。」
「えっと、辰野です…」
「竜也って呼んで?あと俺も下の名前で呼んでいい?」
「あ、いいよ」
あんまり友達ってできたことないんだよね。
なんか新鮮…というか、普通に緊張するっていうか。
そのあとの授業も滞りなく終わって、竜也…と一緒に寮に向かっているところ。てかやっぱりこの学校広すぎ。迷子になるし。…物の例えだよ?別に本当に迷子になったりしないからね!
「それにしてもラッキーだな。隣の部屋だぜ?」
「うん。…でも一緒の部屋がよかったな。」
知らない人と一緒の部屋か…大丈夫かな?
「隣の部屋の奴は…ああ、同じクラスのアイツだろ?あの変態野郎。」
「え!?てか人を変態野郎とか言っちゃダメでしょ。」
「マジで変態野郎だから仕方ないよー。あ、でも掘られることはないから安心していいと思う。皐月もそのナリだしな。」
…今知らない単語が入った気がした。え、掘られるって何?どこを掘られるわけ?
「え…もしかして、わからない…?掘られるの意味。」
「わかんない。あ、穴を掘るとかそういうやつだよね…??」
「わかってない感じかよ!ますます心配だなw」
心配されるようなことなのか…え、人体に掘っていい場所なんてないよね?
「身体のどこに穴を開けられるの?マジ怖いんだけど…!」
「開けられるってwwwwww」
そんな爆笑しなくても…。
そんなこと話してたら部屋の前。
まだ掘られるの意味訊いてないんだけど「がんばれよー」って言いながら竜也が去っていったから、とりあえず中に入るしかない。
「し、失礼します…」
「…どーぞー」
中からあわただしく走る音と、ワンテンポ遅れた了解の声が聞こえた。
わっ!広!!
広いぞこの部屋!!
最初のコメントを投稿しよう!