はじまり始まり

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草木生える野原を子供の集団が走る 「ははは、遅いぞ!」 「待てよ良武!」 良武と呼ばれる少年が集団から一つ先に出て走る 年は12歳程 「ほら、そろそろ着くぞ!」 そう言って数百m走ると20mはあろうかという木の前で止まった 良武は一人木を見上げる 12歳の少年にはとてつもなく大きな巨木に映った 「遅いぞお前ら」 「はあはあ 良武、これか?」 「ああ、これだ。巨大だろ? 登ったらきっと気持ちがいいんだろうな」 「登るか?」 少年の一人が良武という少年に問いかける 「こんな大きい木は登れないよ」 「へ~ 良武にもできないことがあるんだ」 ワザとか否か 挑発する少年。その挑発を黙って流す良武ではなかった 「登れるに決まってんだろ!」 「登れないって言ったばっかじゃん」 「登れる!」 そう言ってまだ成長しきっていない手足を懸命に伸ばし木に登り始めた
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