桜の蝶

話し合いの結果、最初に行くのは西本願寺に
なった。

私の性格をよく知っている瑠香が意見を
引いてくれたのだ。

瑠香曰く。
「桜陽ちゃんは根に持つタイプですから。」

何か素直に喜べないけど、まあいいや！

西本願寺にしゅっぱーつ！！

「ここが……西本願寺？」

駅から歩いてすぐの所に、それは悠然と
佇んでいた。

テレビやアニメで見るよりも遥かに大きく、
荘厳な西本願寺。

私は持ってきたデジカメで写真を撮るのも忘れて
ただ、呆然としていた。

「桜陽～？何ぼーっとしてんの！
中に入れるみたいだよ！」

「ほ、ほんと！？」

優莉亜からその事を聞いた瞬間、私はもらった
パンフレットを握り締めて一目散に
走っていった。