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月は八。緑が生い茂り、多くの生命が謳歌する夏である。
今日もこの時期の例にもれず、蒸し暑く、炎天が道行く人を、それはもうこんがりと焼いている。こういう日には家にこもってエアコンの下、内的で快適な生活を営むべきだが、運悪く私は提出物を出さなければならかった。
それを雑で怠慢と悪名高い教務課へ提出すれば帰って良かったのだが、寝坊した私が出した頃には昼の12時となっていた。先述したような地獄によって、ここにくるまでに暑さに参っていた私は、昼食も取らずに校内にある図書館へと避難していた。
しかし、私は勉強道具をもっているわけでもなく、早急に調べることもない。
したがって、私はエアコンが適度に効いたこの図書館で、何の目的もなく、スマートフォンをいじりながら、だらだらと過ごしていた。適当に涼んだら近くのラーメン屋に行こうとおもってはいるが、非常に無為である。
スマホで眺めているのはニュースサイトである。並んでいるニュースは――
「隣国がまた飛翔体発射」
「巨大台風発生、異常気象続く」
「テロリズム脅威未だ続く」
「中東の二国の対立激化」
――などなど、ろくでもないニュースがならぶ。
最も、それと張り合うかのように平和で希望的なニュースも多い。例を挙げるなら、
「動物園のパンダが無事出産」
「新たなAI人工知能プロジェクトの発表」
「月面基地計画、ついに第一段階へ」
「有名アイドルに熱愛発覚、相手は幼馴染」
最後に関しては、一部の人々にとって全く平和でないだろうが。というか、友人の一人がこのアイドルの熱烈なファンだったような。
そう思っていたら、その友人から1件のメッセージが来た。
『生きる希望を失った』
可哀想に。安らかに眠れ。
冥福を祈りながらメッセージアプリを閉じた。
大学に入ってから、一年が経った。
勉学を適度に頑張り、サークルに入り、友人を作り、充実しているかと問われれば、「している」と答えられるキャンパスライフを送っている。
しかし、この暑い時期、サークルは活動休止期間であり、友人もバイトに勤しむか、地方に帰省してしまっている。したがって非常に無為な日々である。
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