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sideジン
「お前の弟は行く気あるみたいだが?」
「…………」
暗闇にほつりと浮かんだ白いスクリーン。
そこには見知らぬ白い男と、自分の弟の姿が。
話は全部聞いた。
俺からしてみれば至極どうでもいい話なのだが…。
「俺浄化ってガラじゃねぇだろ……」
「あぁ、そこは説明しないとだな。お前がするのは浄化じゃない。浄化をするのはお前の弟の役目、お前は異質な存在を地に縛り付ける鎖を破壊してもらいたい」
「鎖……?」
「転生者は運命をねじ曲げられた上、異世界に縛り付けるために魂を禍々しい鎖でがんじがらめにされる、それを破壊し解放するのがお前の役目だ」
……話がデカすぎてついていけないんだが。
だがまあ、奴の顔は真剣だから本気なんだろう。
「はぁ……慎が行くなら俺も行くさ。あいつ一人じゃ心配だしな」
「……ありがとう、ちゃんと転生させる前に力は与えるから安心してくれ。弟に与える力は浄化、お前に与える力は破壊の力。……俺と俺の片割れの持つ力だ」
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