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sideジン
俺は今、とてつもなく不思議な体験をしていた。
真っ暗な空間に一人佇む俺。
(普通ここは真っ白な空間とかじゃねぇの?)
「お前の片割れならそっちに行ってるぜ?」
「…………へぇ」
「…案外冷静だな。普通もっと混乱するもんだと思っていたが」
「そういう反応を期待しているのなら弟の方に行け」
俺以外誰も居ない空間から声が聞こえてきた件についてはこの際スルーしておこう。
死んだ筈の人間がこうして立って、息をして、喋っている事自体おかしいのだから。
「まあ、別にいいけどな、お前に話があるんだし」
姿の見えない誰かと会話をする光景はなんとも異様だ。
それを察知したのか姿の見えない誰かは、闇を集めて人形をとる。
「……っと、こんなもんでいいか?」
黒髪に妖しく光る深紅の瞳。
…………美形だ。
「で、話ってのはお前に別の世界に転生してもらい、異質な存在を処分してほしい」
「……処分、ねぇ」
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