第1章

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しばし、考えて- 「じゃあ、何か勝負して私が勝ったら劉虎さんも一緒に食べるの。もし、劉虎さんが勝ったら、えーと、えーと…」 突然のルミナの提案に劉虎は面食らう。 そして、ぶっ!と吹き出すと笑い出した。 「ははっ!ったく!適わないな。じゃあ、俺が勝ったらルミナに食べさせて貰う、でどうだ?」 「うん!」 勝っても負けても胡麻団子を食べるという方向で決まった所で、勝負方法を考える。 「よし。じゃあ、簡単に拳で勝負がつくアレだ」 「アレ?」 「そう、その名も…じゃんけんだ」 「じゃんけん?」 ルミナは初めて聞くそれに小首を傾げる。何かの拳法なのだろうか? 劉虎はまず拳を握った形を見せる。 「これがグーな」 次に手を広げた。 「これがパー。さっきのグーに勝てる」 そして指を二本残した形で再び握る。 「これがチョキ。さっきのパーに勝てるが、グーに負ける」 「グーとパーとチョキ…」 ルミナは劉虎に教えて貰ったことをプログラミングする。 「そう、その三つのどれかを同じタイミングで見せ合って勝負決めるんだ。同じを手を出したらそれはアイコで引き分け。もう一度、勝負するんだ」 「うん!分かったよ」 「よし、じゃあ、『じゃんけん、ぽん!』のぽんのタイミングで手を出すんだぞ」 「うん!」 「いくぞ!じゃんけん…ぽん!」 果たして、二人が出した手は…
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