将来の夢

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雪は言う。 「真由美、今日、うちに泊まりに来ていいって、泊まる。」 「よかった、もう遅いしさ、行こうかどうか迷ってたよ。泊まりに行くね。 ところで雪」 雪は言う。 「何、真由美・・・・・・」 真由美は意を決していった。 「アンタ、夢とかある」 「ゆ、夢、考えたこともない、何か欲しいとは思っているけど・・・・・」 真由美は言葉を選びながら言った。 「雪、私ね、別にアンタをバカにしているわけではなくってさ」 「うん」 「昔からね、あこがれているものがあるんだ・・・・・・その話を会ってした い」 雪は真由美の真剣そうな声を聴いて言う。 「わかった、その話聞きたいから来て」 「うん、じゃあこれから行くね、30分もしたらつくと思うよ」 雪は少し心配した。 「暗いけど大丈夫」 「うん、パパの車で行くから・・・・・・」 それを聞いて安心した。 「じゃあ、待っているから」 「うん、あとでね」 と言って、ケータイは切れた。 「夢か・・・・・・」 雪は大きなため息をついた。今は高校受験の真っ最中だが、子の受験が終わった 後、どうしようか、自分も真由美みたいに将来の夢を掴みたかった。 ドアがドン、ドン、ドンと音がする。ククトが来たのだ。 雪はドアを開けて、ククトを中に入れた。 そして抱っこしながらため息をこぼした。 雪がどうすれば夢が持てるのかと悩んでいると、ふと、声が聞こえた。 「雪、これからいろいろと経験する時間の中できっと探せるよ、大丈夫、あせら ないで・・・・・・」 雪は思わず振り返ったが、周りにはククトしかいなかった。ククトは雪の顔を見 ながらまるで心配しているような顔をしていた。 「今の声、何だろう」 そういって、全身に鳥肌が立った。 自分は疲れているのだろうか・・・・・・
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