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雪は覚悟を決めて電話に出た。
「もしもし、真由美・・・・・・」
だが雪が想像していたよりも真由美は優しかった。
「ああ、雪、今病院にいるんだって、洋介君のお母さんそんなに悪いの」
雪はどう答えていいかわからず、言った。
「うん、詳しいことはわからないんだけど、今は入院しているみたい」
「そうなんだ」と真由美は言った。
雪は真由美に謝る。
「真由美、本当にごめんね、私すっかり忘れてた。やっぱりすごく怒ってい
る。」
真由美はもう雪のことを怒っていなかった。真由美は雪が洋介のことを好きなは
ずだし、そんな時に、いたいと思う気持ちもわかった。
ただ少し妬けていた。
「いや、もう怒ってないよ、雪、ただ今度からを忘れないでね。わかった」
雪は真由美の優しさが伝わってきた。
「うん、これからは絶対忘れないから・・・・今日は本当にごめんね」
真由美は言う。
「雪、もう6時過ぎてるけどさ、病院から帰ってきたらさ、ちょっと会えない。
相談したいことがあるの・・・・・・」
雪は意外だった。真由美はあまり相談などしない子だったから、それゆえ、
雪はその内容が大切なことだと思いあうことを約束した。
「わかった、真由美、あとどれくらいで家に帰れるかわからないけど、電話す
る」
真由美はほっと溜息をしていう。
「ありがとう雪、じゃあ、電話待っている」
雪は真由美に「わかった、じゃあ、あとでね」と言って電話を切った。
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