暇を持て余した女神の戯れ

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……正直やり過ぎた感は否めない。 ここ数日の不良をあしらい続けてたが、最後にかなりヤバイ魔法を雨の奇跡とか言う術で破ったのが不味かったらしい。 不良の心が折れてしまった。 その影響は昼間の学園でもくっきりと表れている。 「ねぇ、彼に何があったのかな?」 「んなもん知るか。それより聖剣が何処か行っちまったことの方が重要だぜ。なんせ王子が来るとか言ってたもんな」 確かに最近まであった聖剣が忽然として姿を消してしまったのも重要かも知れないがギルド最強が口から魂を吐き出してるような状態も不味いぞ。 そして対称的にヴィアンの方は修行が上手く言ってるためか機嫌が良い。 これが自信に繋がればいいな。 「そうだ。大変と言えば“漆黒の牙”が誰かに負けたらしいよ」 「おい!マジかよ!」 ザントとゼルノスが不良に追い討ちを掛ける。 本人の前で言うなよって言っても不良が“漆黒の牙”とは知らないからな。 「負けてない!!」 余程悔しかったのか不良が即座に抜け掛けた魂を飲み込んで反論した。 「お?“漆黒の牙”のファンか?」 「あ、ま、まぁ、そんなところだ」 一瞬出し掛けたボロだがザントの質問に乗っかり、何とか隠したようだ。 「絶対有り得ない……きっと……何か卑怯な手を使ったに違いない」 人間には出来ない無接触転移を連発してただけだからな。 ある意味卑怯だったかもしれない。
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