暇を持て余した女神の戯れ

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負けを認めたくないらしい彼は拳を握り締めて俯く。 まぁ、ギルド最強なんてやってるんだから天才なんだろうな。 その上身体の穴と言う穴から血が吹き出るくらい努力したに違いない。 だが敢えて言う。 「上には上がいる。まぁ、今回は相手が悪かったんじゃないか?」 「……」 睨み付けるなよ…… 確かに遊んだのは悪かったけど睨み付けるないでくれ。 殺気で足がガクブルする演技をしなくちゃならないじゃないか! 「……!すまん」 震えてる俺に気が付いて殺気を納める不良。 ふぅ……疲れたぜ。 俺は額の汗を拭った。 「“漆黒の牙”より強い人ってどんな人だろ?」 ゼルノスの疑問の声に一人答えた人物がいた。 「きっと女神様だと……思います」 最後は消え入りそうな声でヴィアンが口を挟んだ。 その時、不良は気が付いたらしい。 犯人の特徴を聞き出せるんじゃないかと…… 「……その女神とやらはどんな人物だ?」 「は、はい……えっと……女神様はとても綺麗な人で……髪が七色に光るんです……」 女神の特徴七色に光を反射する髪。 「あー、そーいえば少し前に学園にいたよねー」 どうやら女神状態の俺が下校するところを見ていたらしい男か女か分からないぽやーんとした半分人間じゃない少年が言った。 「おやふみー」 そして眠り少年は夢の中へ…… 「アッシュ、そんな人居たっけ?」 「居ないな。居たらザントが騒ぐ」 「オレの美女レーダーに狂いはねぇ!」 最近玉砕したばっかりだと言うのにザントは次の恋を探すつもりらしい。
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