暇を持て余した女神の戯れ

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まぁ、ザントのことは置いておいて、女神の状態での遊びはそれなりに考えてあったりする。 例えば…… 「夕方の4時59分に……鏡の前で鈴を三回鳴らすと……暇なら……出てくるって……言ってました」 ヴィアンに教えた鏡の中の女神様とか…… このまま学園の七不思議になるのも悪くはないかもしれない。 「へぇなんか面白そう!」 「鏡の中から美女が出てくるのか!?」 「……ザントはお断りされそうだな」 「ふぁ!?」 さて、ギルド最強が馬鹿正直にやるのか…… チリンチリンチリン やったよあの不良…… せっかくのお呼びだしなので向かってやろうじゃないか。 『鏡の中からこんにちは』 「!?」 不良も半分信じて居なかったのか、見知らぬ少女が鏡に映ったのに驚く。 「……」 不良は俺が居るであろう場所を見るが、もちろんそこには誰も居ない。 『背後には誰も居ませんよ。私は鏡の中に居います』 「……誰だ」 『変な質問ですね。貴方はヴィアンから呼び出す方法を教わったのでしょう?』 「……自分は女神だと言いたいのか?」 転移を使いバレないように鏡から出て、不良の耳元に息が掛かるように囁く。 (ええ、もちろん) 「!?」 不良は弾かれるようにその場を離れた。 漸く得体の知れない者と対峙してる実感が湧いたのか、不良の額から冷や汗が出る。 「正確には女神の半分ですけどね」 「お前が……ローレイルを操ってたのか?」 「心外ですね。私はただあの子の修行に付き合ってあげただけですよ」 敬語疲れてきたなぁ………
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