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「でも、この依頼色々おかしいですよね。まず、何故オーバーランクが受けたのか?兎を殺すのに隕石を落とすくらいの過剰戦力を投入するのと同じですよ?もう一つ、ヴィアンのご両親はヴィアンが部屋を抜け出していることを知らない。つまりこの依頼は発生すること自体がおかしいんです」
「……」
「貴方は気付いてたんでしょう?ヴィアンが召喚師の才能を持ってることに……」
一昨日、親父から召喚師は弱くてもドラゴンを単騎で倒せるSランクの超エリートと聞いた。
つまり、悪人になったら厄介なことこの上ない。
ヴィアンが召喚師の卵と知ってなければオーバーランクを投入するのは非現実的だ。
「……」
ギルドマスターのおっさんは沈黙している。
何故、ギルドマスターはヴィアンが召喚師と知っていながらギルドへ勧誘しなかったのか?
何故、召喚師の才能があると知っていながら召喚師を紹介しなかったのか?
疑問は色々ある。
「貴方の真意は知ったことではありませんが、ヴィアンへの手出しはさせません」
「ククク……」
その時、ギルドマスターが不快な笑いを漏らす。
「何がおかしいんですか?」
「君は彼女が何を召喚出来るか知らないからそんな事が言えるんだ。彼女を見ただけで大抵の召喚師は震え上がってしまったよ。彼女が召喚出来るのは神獣!世界を滅ぼせる獣!」
「知ってます。麒麟ですよね」
「……」
完全にギルドマスターは沈黙してしまった。
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