暇を持て余した女神の戯れ

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麒麟よ。 始めのシルエットでユニコーンと勘違いしてすまなかった。(ユニコーンは神獣ではない) 「最近やっと5分間召喚出来るようになったんですよ」 「……まさか、覚醒したのか?どうやって?召喚師は全員大召喚師グラネスの命令で接触を禁止されてる筈だ!」 黒幕っぽい人間の名前が出てきちゃったよ。 たぶん、権力を振り翳すタイプの人間だろうな…… 「普通に考えれば分かることではありませんか?特に大召喚師に不満がある召喚師なんて一人や二人いるでしょう?」 と、適当な事を言って内部分裂を誘発してみる。 召喚師は召喚師にしか覚醒出来ない、そのルールに縛られてる限り真実は見えてこない。 なので、面白いことになりそうだ。 「くっ……気付くのが遅過ぎた!」 ギルドマスターは小物っぽく転移で逃げた。 いや、小物にしては強過ぎるか。 「さて、事態はどう動くのやら……2匹目ゲット!!」 『魔王、あなたが何をしたかったのか。わたくしには結局分かりませんでした。そして、2000年が経ちあなたの愛した女神は魂を失いました。まぁ代わりに変な人格が芽生えていますが……』 聖剣はかつての友に語りかけるように静かに言葉を放つ。 『あなたはいったい何を予見していたのですか?女神様の身に何が起きたのですか?』 聖剣の声なき声は闇に融けてなくなる。 今宵も勇者は現れそうにない。
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