余裕のない男の奮闘

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本選に進むつもりなんて毛ほども無かったのに、避けてるだけで本選に進めてしまった。 本選は明日に行われる。 トーナメントの組み合わせが発表されると初戦の組み合わせが最悪だった。 「クレアか」 カーチス同士で戦うことになるとは…… 横を見るとクレアもトーナメント表を見ていたようで、こちらを見るとフン!と言って何処かへ行ってしまった。 なのでヴィアンに話し掛けよう。 「ヴィアンも本選に行けたのか?」 「そう……だけど……えと……何が何だか分からないうちに……試合……終わっちゃった……」 Fクラスの小動物であるヴィアンなんて完全に眼中に無かったようでヴィアンが何かしようか迷ってる間に勝手に決着が着いてしまったらしい。 今年のSクラスは暴れ過ぎだな。 もう隔離枠で出せよ。 「Sクラスが18人……バトルロワイアルで2人しか脱落してないのか」 トーナメントは全員で32人、その半数以上がSクラスだ。 Aが7人、Bが4人でCが1人…… そしてFが2人 もう絶望しかないな。 「大丈夫……やればできる……女神様……私に……勇気をください……」 唐突に女神への祈りを捧げ始めるヴィアン。 俺自身が肉体だけの不完全な女神であることも関係はしてると思うが、祈られたところで声は届かない。 しかし隣で祈られれば丸聞こえな訳で…… よし! 「ヴィアン」 「は、はい」 「お互い頑張ろうな」 俺はヴィアンの頭を撫でる。 バシッ
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