余裕のない男の奮闘

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俺知ってるよ。 インフレ組は魔法だけでなく武術に置いても大抵優秀だって知ってるよ。 俺の剣技に加えて魔法を放てる俺の完全上位互換であるクレアを見れば一目瞭然じゃないか。 「……いつもクレアさんに軟弱って言われるんです。今回で見返したかったけど……まだまだ先になりそうです」 「クレアはいつも暴言吐いてるのか?」 「あ、いや……いつもって訳じゃ……ごめんなさいやっぱりいつもです」 どうやら俺の義妹は口が悪いらしい。 「クレアは口が悪いがそれは愛情の裏返しで親しいからこそ安心して暴言を吐けるんだ」 「そうなんですか?」 「と、妄想したことがある」 「妄想ですかい!!」 俺だってクレアに嫌われてる事実から逃げたいときがあるのですよ。 「時に少年よ」 「はい?」 「クレアに彼氏はいるのか?」 「…………………………………………………………………………………居ないと思います」 「間が長い!本当は居るのか?大丈夫他人の恋愛に干渉する気はないからさっさと吐けよそれとも言えないのかお前が彼氏なのかよしまず初体験の感想を述べよ介錯くらいはしてやる」 「殺す気満々じゃないですか!」 「だって言えないような彼氏なんだろう?大丈夫、苦しまない程度に拷問してやるから」 「矛盾してます!それと本当に彼氏は居ないんです!たぶん」 「何故最後を曖昧にする」 「毎日20通くらいラブレター貰ってるらしいんですけど、全て破り捨ててるらしいんです」 「……なるほど」 確かにクレアの性格を考えると興味がなければ破り捨ててそうだな。 逆に言えば意中の相手がいるから興味がない。
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