偽りの召喚師

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ヴィアンが召喚師と言う驚愕の事実は学園中を駆け巡る。 今回のダークホースとなったヴィアンの戦績は残念ながらベスト8。 インフレ組上級生を相手にするには経験が足りなかったようだ。 そんなヴィアンは今もFクラスにいる。 「へ?」 「よ、呼び出された……の」 まぁ、呼び出されない方がおかしいもんな。 あと、なんで俺の制服の裾を放してくれないのですかねぇ…… 「で、なんでカーチスまで居るんだ?」 「付き添いです」 「……小動物の飼い主か」 スライム以上にプルプル震えてるヴィアンによって連れて来られた俺は何故かSクラスの先生と話している。 プルプルプルプルプル 「……私、何も悪いことしてないよって言ってます」 「それで分かるのか!?」 「いえ、ただヴィアンの言葉を予想して話しただけです」 「……ともかく別に叱る為に呼びつけた訳じゃない。ローレル、お前に黄昏の銀翼団から招待状が届いている」 「黄昏の銀翼団?」 「ああ、所謂召喚師の組織だ。通常そこで召喚師としての修行を行うらしい」 「そ、そう……なんですか」 叱れる訳じゃないと知り震えも止まり、ヴィアンは言葉を取り戻した。 『行っては駄目!』 「……!……私……行きません」 神獣麒麟の声が聞こえた。 「それで良いのか?黄昏の銀翼団に入れば将来安泰だぞ」 「い、行きません!」 「……」 神獣の声は女神である俺と、神獣と魂の繋がりのあるヴィアンだけにしか聞こえなかったらしい。 「そうか。先方にはそう伝えておく」 「はい……」
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