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「さて、貴方はどちらの味方でしょうか?」
「どちらの?」
「ヴィアンの味方か、ギルドマスターの味方か……ちなみにギルドマスターはヴィアンの暗殺に向かったようですね」
「なっ!」
まるで信じられないと言った表情を浮かべる不良。
「さぁ、いたいけな少女か、育ての親か選びなさい」
「……」
「意気地無し」
俺はヴィアンのところへ転移した。
「お前を殺せば……まだチャンスがある筈だ」
ギルドマスターは短剣を鞘から抜き、気持ちよく寝ているヴィアン目掛けて降り下ろした。
ザクッ
しかし、短剣は空を切りベッドを貫いただけになる。
「女の子を殺す趣味があるとは驚きですね」
ヴィアンは転移で安全なあの泉の側に送った。
それから少し遅れて不良もこの場に転移してきた。
「……何を……してんだ?」
「ヴィアン・ローレルは世界的な犯罪者であるその女に操られていた。危険を排除するにはヴィアン・ローレルを暗殺するしか方法がなかったのだ!」
よくもいけしゃあしゃあと嘘が吐けるな。
「……罪状はなんだ?」
「とある王国の秘宝を盗んだ。表沙汰にしないように隠しているがね。私に秘密裏に依頼が来たんだ」
「秘宝とは?」
「それはお前に関係ない!早くその女を殺せ!」
「殺したら秘宝の行方が分からなくなる」
「秘宝には追跡魔法が掛けられている!それを辿れるから問題はない!」
「ならその追跡魔法の波長を教えろ。俺が取ってくる」
「秘宝はその女が今持っている!」
「……服しかないぞ?服ならば傷付ける訳にはいかない」
「今すぐ殺せって言ってるのが分かんないのかね!!お前はただ黙って私の言うことを聞いてれば良いんだ!!」
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