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それは言ってみれば一人クロスカウンターだった。
サクラの顔の前あたりの何もない空間で、巨人の腕はその途中から霞掛かるように消えており
消えた部分はそのすぐ隣から180度反転して飛び出してきて
握り締められた拳はその持ち主自身のアゴを打ち抜いていた。
「そんな太いのムリだよぉ……」
ここは敢えて聞き逃そう。
……つか余裕じゃねえか、サクラ。
「サクラちゃん良かった! まだ妖精の効果が生きてたのね」
アヤメが半泣きで安堵の声をあげる。
「こんの、どスケベ巨人め」
なんでどスケベなのかは知らないが、そう言った時にウメノはすでにキュクロープスの足元に踏み込んでいた。
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