然るよる夜のバグハント

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それは言ってみれば一人クロスカウンターだった。 サクラの顔の前あたりの何もない空間で、巨人の腕はその途中から霞掛かるように消えており 消えた部分はそのすぐ隣から180度反転して飛び出してきて 握り締められた拳はその持ち主自身のアゴを打ち抜いていた。 「そんな太いのムリだよぉ……」 ここは敢えて聞き逃そう。 ……つか余裕じゃねえか、サクラ。 「サクラちゃん良かった! まだ妖精の効果が生きてたのね」 アヤメが半泣きで安堵の声をあげる。 「こんの、どスケベ巨人め」 なんでどスケベなのかは知らないが、そう言った時にウメノはすでにキュクロープスの足元に踏み込んでいた。
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