然るよる夜のバグハント

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「両手の指を合わせてさ、その上にスマホ乗せてさ」 「バリボーのレシーブみたいな感じでつかぬ」 「あ、そうそうホントそんな感じ。んで、その手の形で二本の親指だけがやたらぬるぬると動くんだよ」 「ほうほう」 「でな、ウチの店長はウチの店長でさ、親指の動きが肉眼で確認できないぐらい速いんだよ」 「メガネ店長ドノはガラケー使いでつたね」 「うん。それでさ、どっちが速く文字打てるかって張り合ってんの」 「ガラケーVSスマホでつな」 「店着いた時はビビったよ。店長が客と揉めてるからさ」 「イチャモンでもつけられたんでつかぬ」 「なんでそうなったかは分からねえ。でも何かすごい変な格好してんの、その客」 「コスプレイヤーでつか?」 「んー、もしかしたらそうなのかもな。パーカーのフードにネコ耳が付いてたり、そのくせ足は下駄はいてたり。髪の毛は赤色だしさ」 「ほーう、そりゃあコスプレイヤーに間違いないでそ。それにしてもよくそんなネコ耳とかで外歩けまつおね」 「だよなあ。でもなんか関西弁のふてぶてしい感じの喋りだったから、そういうのヘーキなのかもしれねえな」 「変なカッコの上に関西弁でつか。もしかして芸人ぢゃないんでつかぬえ……。お、ユキトそっちいくでつお!」 「任せとけ! くろ……」
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