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弾丸を撃ち込まれた。遠距離からの超精密な狙撃だった。
瞬間、愚者の心臓が無様に高鳴るファンファーレと、魔術師がやるみたいに撒き散らされるカラフルなリボンの血飛沫。目の前がキラキラ輝いて、もう何も考えられそうもない。
爆発的に体温が上昇する。
不意打ち、突然の衝撃に僕は一歩も動くことが出来ない。クリティカルヒットすぎて、敵前撤退すらもままならない。これは、ヤバい、僕には勝ち目はなさそうだ。
だから、そうか、これは、まさに、僕は、明確に、まず間違いなく……
――キミに恋をした。
あるいは、殺された。紛れもなく悩殺で、そして、瞬殺だ。僕はなす術もなくただ無惨に殺された。
まだ夏の始まりだというのに、アスファルトと超高層ビルで出来たこの街の日差しはやたらと強い。
僕には不似合いなそんな街に、ふらり、何かに暗示されたように久しぶりに出てみればこの有り様だ。気まぐれなんて信じるモンじゃない。
悲惨この上ない、あまりにもあっけない幕引きに、僕は敗走すら出来なかった。その華麗な戦術に思わず魅入ってしまったのだ。敵ながら天晴れである。
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