故に、僕は恋に殺された敗残兵だ。

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 ……ははは、無様な僕の遺言にしては上出来じゃないか。な、泣かないんだぜ、男なら、涙を流すのは心の中でだけなのさ。  さあ、あとは、煮るなり焼くなりロケットランチャーを撃ち込むなり好きにしてくれ。僕は逃げも隠れもしない。……い、いや、もはや逃げも隠れも出来ないだけだけど。  ギュッと目を瞑って死刑宣告の最期の瞬間を待つ僕の肩を、何か、とても優しいものがポンポンと叩く。それだけで、僕はなんだか救われたような気がする。 「ワタシ、そんなこと言う人に初めて出逢いました」  キミのちょっと楽しそうな言葉の意味が分からなくて、ゆっくりと恐る恐る目を開ける。  すると、目の前でキミが困ったように笑っていた。その眩しい笑顔、眉間にとどめの一撃。……って、ん? キミの頬がちょっとだけ赤くなっているのは気のせいだろうか。 「そうですね、アナタがワタシの目の前で死んでしまうのは困っちゃうので、涼しいところでちょっとお話でもしましょうか」  キミがゆっくりと楽しげに手を差し伸べる。  この瞬間、確かに僕はキミに敗北して、そして、僕を取り巻くつまらないはずの世界が急速に崩壊していった。
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